宇宙航空研究開発機構(JAXA)様
ソラン株式会社
公共宇宙ソリューション事業本部 宇宙システム事業部
スタッフ
日本の宇宙開発の初期段階から20数年来、人工衛星を地上から遠隔で監視制御をするシステムを開発してきた宇宙システム事業部。新しい衛星管制システムでは、分散オブジェクトを用いた新しい開発手法を適用し、高信頼性のシステム構築に成功した。
高速で地球軌道上を周回する人工衛星を追跡
地球の上空を秒速7.9kmというスピードで周回する人工衛星。この状況下で地球と通信を行うアンテナやカメラの向きを安定させるために、姿勢や軌道、そして機器の状態を正しく保つ必要がある。ソラン宇宙システム事業部が手がける”衛星管制システム”は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)様が打ち上げる人工衛星の状態を地上で監視し、さまざまな動作の制御を指示し安定した運用を実現するシステムだ。
膨大な計測データをリアルタイムに運用技術者に提供
人工衛星にはさまざまな計測器が据え付けられており、計測された状態データは、毎秒数千個というペースで地上に送られてくる。この膨大なデータをもらさず受信し、運用担当者が使いやすい形に加工し提供するのがこのシステムの役目だ。
宇宙システム事業部は、昭和40年代に我が国が宇宙開発を始めた当初から開発に参加し、長年このような厳しいニーズに耐えうるシステムを開発してきた。
「人工衛星は一度打ち上げたら戻せません。ですから最低でも10年はさまざまなニーズに耐えうるシステムを作らないといけません。」と話す統括マネージャー山本は、システム技術だけでなく、衛星の位置を推定する軌道力学などの知識が必要なこの事業の難しさについて語る。
さまざまな要求と高信頼性を実現する新しいシステム開発
「地球軌道上を周回している人工衛星は、地上と通信できる時間が10数分と限られています。適切なタイミングで計測データを取得し、制御コマンドを送信しなければなりません。当然、地上の衛星管制システムのダウンは許されません。信頼性向上の追加要件も出てくるわけです。」(山本)
そこで採った方法は”オブジェクト指向”のシステム開発だ。オブジェクト指向開発手法は、機能を部品化することで再利用を可能にするもの。追加要件が上がった際も、既に実績のある部品を再利用することで、短期間に低コストで整備することができる。
現在三代目となる衛星管制システムは、1998年から段階的に開発が進められた。当時はまだオブジェクト指向の開発環境が充分でない時代であり、データベースなど主要な機能が不十分で、多くを独自に開発する必要があったという。
「最終的に三層構造のクライアントサーバーシステムに行き着きました。衛星管制システム専用のフレームワークをJava、CORBA、XMLベースで構築したのです。」
宇宙システム事業部の長年の成果は、JAXA様にも認められ、人工衛星が打ち上げられるたびに随時開発依頼が舞い込むようになった。しかし最近では「衛星の開発」から「衛星の利用」に着眼点が変わってきており、当事業部は、独自のフットワークのいいシステム開発手法を生かし、「利用」というユーザ重視の視点で先手を打つべく次なる戦略を画策している。
「二十数年来、衛星管制技術を支えてきた経験はどこにも負けないと思っております。人がいけないところ、例えば「海底」「山奥」における遠隔管制など、さまざまな分野にも応用できますので、期待して欲しいと思っています。」
ソラン株式会社
公共宇宙ソリューション事業本部
宇宙システム事業部
統括マネージャー
山本勝令
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